国からの後押しもあり「副業」にチャレンジしやすくなった昨今。コロナ禍も相まり「本業以外の収入を得たい」「スキルアップをしたい」と考えるビジネスパーソンは急増しています。空いた時間や自身のスキルを利用した副業は魅力的ですが、始めるためにはどのような準備や注意点があるのでしょうか?
副業が注目されている背景
昭和の時代では当たり前とされていた「終身雇用」や「年功序列」ですが、近年、その働き方に対し、大きな変化が起きています。平成から令和へと時代が移る中、労働者視点での「同じ会社で一生働く必要はない」といった考え方も世間に浸透しています。企業側でも「終身雇用制度を維持するのは困難」といった発言が目立つなど、ここ数年での働き方に対する意識の変化は著しいと云わざるを得ません。
もはや、「一度大企業に就職してしまえば、一生安泰」といった安易な考え方は全く通じません。
更に厚生労働省でも平成29年に決定した「働き方改革実行計画」を踏まえ、副業・兼業の普及促進を図るため、平成30年1月に「モデル就業規則※1」を改定。労働者の遵守事項から「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」という規定を削除し、副業・兼業についての規定を新設しました。
今、人生100年時代における働き方、ポストコロナの働き方として、副業に注目が集まっています。
※1参考:厚生労働省「モデル就業規則について」
副業を始めるメリット・デメリット
副業のメリット
副業を行うことによるメリットはさまざま考えられますが、おおよそ以下に集約されるといえます。
- 1.収入の増加
- 副業によって得られる収入は、業界やジャンル、かけられる時間によって多種多様です。しかし本業とは違う収入経路があることは、不安定な現代において大きな安心材料になりますし、何より副業を始めた多くの方は「スキル面の向上」や「QOLの向上」などの満足度が高いと感じているようです。
- 2.新たな人脈の獲得
- 副業によってビジネススキルが上がるのはもちろんの事、新しい出会いによってこれまでと違う「視点」や「価値観」に触れる機会が増えます。「人脈は金脈」という言葉があるように、これらの体験はこれまで以上に、あなたとビジネスをステップアップさせてくれるはずです。良い出会いは新しい出会いを導いてくれますし、本業にも良い影響を与える可能性があります。
- 3.本業スキルの活用・新しいスキルの習得
- 本業と違う業種での「副業」は新たなスキル獲得のよい機会ですが、収入に結び付くまでに時間が掛かる場合があります。まずは「本業」や「趣味」を通じて会得したスキルを活用する方がおすすめです。学習コストを低く抑えることが出来ますし、準備期間も短く済みます。保有スキルのブラッシュアップ、新たな視点や人脈を得られるといった魅力もあります。新たな業種で始める場合には、しっかりと事前準備をするとよいでしょう。
休日や終業後を利用してスクールに通うこともおすすめです。コロナ禍以降、オンライン開催も増えていますので、時間を気にせず気軽に参加することができますね。初期コストは掛かりますが、知識を習得し、業界状況を把握した上で、安心してチャレンジできます。
新たな知識と本業スキルを組み合わせられれば、同業者との差別化も可能です。
- 4.マネジメント力の強化
- 副業をする際に大切なのは、本業をおろそかにしないことです。副業が忙しくなるあまり、本業に影響があっては本末転倒です。副業を最大限楽しむためにも、ご自身のスキルと適性を整理して、効率よく業務を遂行しましょう。
副業の注意点・デメリット
副業にはメリットも多いですが、当然、デメリットも把握しておく必要があります。
- 1.本業への支障、本業とのトラブル
- 副業を認めている企業でも「本業に支障が出る」ことは不安視しています。副業の内容によっては、本業との衝突などのトラブルにも発展しかねませんので、なるべく本業へ支障がでるような仕事は行わないようにしましょう。本業の就業規則などを確認する、不安な場合には事前に相談するなど、お互いの不利益にならないようにすることが大切です。
- 2.心身の疲労
- 副業は空き時間を充てることが多く、休息時間や睡眠時間が不足しがちです。日頃の疲れが十分に回復せず、集中力の低下や体調不良を招き、結果として事故を起こしたり、求められる仕事をこなせずに、同僚だけでなく家族などさまざまな人に迷惑をかける可能性も考えられます。副業によりパフォーマンスが下がる社員が増えれば、企業全体の生産性も落ちてしまい、また禁止といったことになりかねません。最初は無理のない範囲で行うようにしましょう。
- 3.税金関連の手間
- 会社員の場合は会社で年末調整されるので、確定申告をしたことがない方も多いのではないでしょうか。副業は収入額によって申請の手間も変わるため、予めどのような申請が必要なのか調べておく必要があります。また手続きは本業と副業の給与所得を合算して確定申告書を作成し、領収書や請求書などの添付も必要になります。必要書類の保管や支出の明確化も大切です。
- 4.初期投資・スキルの必要性
- 副業よって初期費用は大きく異なります。スキルを補うためにスクールに通う、機材や材料費などが必要な場合には、まとまった費用が必要となり、投資額を回収できないケースもありますので、得られるリターンについて詳しく調べておきましょう。また請け負った仕事が「スキルオーバーだった」という失敗例もありますのでご注意ください。
副業の始め方
会社の就業規則を確認
副業を始める前に必ず所属する企業の就業規則を確認し、副業が禁止されていないことを確認してください。以前は、副業禁止とする企業も多く、会社にバレないようにアルバイトをするといった人もいましたが、最近ではさまざまな仕事を経験することで、本業に役立てるといったキャリア形成の一環として捉える風潮もあり、副業を解禁する動きが加速しています。
但し、依然として禁止している企業も多いので、勤務先での副業可否について確認しましょう。
専用の銀行口座を作成
副業によって得られた収入は、本業による収入と分けて管理することをオススメします。両者を混在させてしまうと、正しい収支が分からなくなってしまいます。副業が赤字状態であるのに、本業による収入があるため、気づかないといったことも考えられます。
まずは、副業により、自分がどのくらい稼ぐことができるのかを把握するためにも、副業専用の口座を開設してください。
仕事を見つける
副業を行う際、「簡単に始められる」という視点は重要ですが、同時に「必要最低限なスキルは何か?」ということも考えなければなりません。自身の持つスキルを活かす仕事であれば、スキルの向上と供に収入をアップさせることができます。
一方、特にスキルを必要としない単純作業や労働集約型の仕事の場合、時給なりに稼ぐことはできますが、ただただ時間を浪費するだけで、スキルアップや新たなスキルの習得には繋がらないため、慎重に検討する必要があります。
確定申告の準備をしておく
会社員が副業を始めた場合、どのように副業の収入を確定申告すべきかが気になると思います。基本的には副業による所得は本業で得られた所得との合算額が所得税の課税対象となります。事前に源泉徴収で税金を納めている場合、確定申告により納めすぎた税金が戻ってくる可能性もありますので、計算方法を理解した上で正しく確定申告を行うようにしましょう。
副業を始めるならビジネスエアポート
副業を始める理由はさまざまですが、新しい働き方の一つとして挑戦してみてはいかがでしょうか。始めてみてダメだと思ったら、すぐ止められるのも魅力の一つです。
まずはビジネスエアポートのコワーキングスペース(共用ラウンジ)を利用して気軽に始めてみましょう。さまざまな人との交流の中で新しいビジネスに出会う可能性もあります。軌道に乗る事があれば、副業が本業になるかもしれません。
起業検討の際は、共用ラウンジだけではなく、登記も可能なサービスオフィスもご利用いただけます。ぜひ、一度お問合せください。